幹細胞培養における「継代」とは?幹細胞美容を理解するための基礎知識

目次

はじめに

幹細胞を使った美容液や再生医療は近年ますます注目を集めていますが、その土台となるのが「幹細胞の培養」です。中でも重要な工程のひとつが「継代(けいだい)」です。この記事では、継代とは何か、なぜ行うのか、そして継代が幹細胞の性質や培養上清液に与える影響について、わかりやすく解説します。

継代とは?

幹細胞DNA

「継代(けいだい)」とは、幹細胞を新しい培養環境に移して、増殖を繰り返す操作 のことを指します。細胞は増殖することで一定の密度に達すると、それ以上の分裂や活動が抑制されてしまうため、定期的に細胞を分散し、栄養の豊富な新しい培養皿に移す(=継代)ことで、健全な増殖を維持します。

なぜ継代が必要なのか?

継代を行う目的は、主に次の2つです。

細胞の健康を保つため

  • 細胞が密集しすぎると、酸素や栄養の供給が不十分になり、老化や変異のリスクが高まります。
  • 定期的に継代することで、細胞は安定した増殖と正常な機能を維持できます。

より多くの細胞を得るため

  • 培養を続けるには、細胞の数を増やす必要があります。
  • 継代を繰り返すことで、幹細胞の数を段階的に増やしていきます。

継代の方法(簡易的な流れ)

研究室ラボ
  1. 細胞が一定密度まで増殖
  2. 培養液を除去し、洗浄液で細胞を洗う
  3. 酵素(例:トリプシン)を用いて、細胞を培養皿からはがす
  4. 細胞を遠心分離して集め、新しい培地と一緒に再び培養皿へ
  5. 次の増殖段階へ

このプロセスは「パッセージ(passage)」と呼ばれ、何回目の継代かを「P3(3回目の継代)」などのように表記します。

継代回数と幹細胞の性質

幹細胞は、継代を繰り返すと徐々に分化能力や再生力が低下する可能性があります。

  • 初期段階(P2~P4):幹細胞としての特性が高く、成長因子の分泌も豊富
  • 中期(P5〜P8):やや分化傾向が出てくるが、実用レベルで使用されることが多い
  • 後期(P9以降):細胞の老化が進み、成分の品質や安定性が下がる場合も

そのため、高品質な幹細胞培養上清液を得るには、適切な継代回数のコントロールが重要です。

継代が美容液の品質に与える影響は?

幹細胞培養上清液は、幹細胞が増殖・活動しているときに分泌する成分(成長因子、サイトカインなど)を抽出したものです。

  • 継代初期の細胞から得られる上清液は、成長因子の含有量や活性が高い
  • 継代回数が多くなると、効果が弱まる可能性があるため、管理が重要

高品質な幹細胞美容液を提供するためには、ラボの技術・管理体制・継代回数の設定が信頼できるかどうかが、非常に重要な判断基準になります。

まとめ

  • 「継代」とは、幹細胞を新しい環境に移して健康な増殖を続ける操作
  • 継代を適切に管理することで、細胞の質と安全性を保つことができる
  • 継代の状態は、美容液に含まれる成分の質や効果に直結する

幹細胞美容を選ぶ際には、”どのように培養・継代されているか” にも注目してみましょう。

幹細胞美容液

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